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一般的に不動産を購入する際、金融機関から融資を受けます。その際融資を実行した金融機関はリスクを避けるため抵当権を対象不動産に設定します。
それは、融資対象者(債務者)が返済不能となった場合、対象不動産を差し押さえ、裁判所を介して売却し、元金及び違約金利を回収するためです。
以上の売却行為を「抵当権の実行」と言います。そして売却行為を「競売」といい、売却される不動産を「競売不動産」と定義しています。
ただし、抵当権の実行を行う金融機関は、対象物件が競売となる前に市場で売却することをすすめます。それは、競売による売却には時間がかかり、売却金額は低額になることが予測されるからです。
また、物件に解決不可能な問題がある場合は、競売による売却業務をすすめて行きます。ちなみに、解決不能な問題とは「売却価格の調整」「占有者(債務者の返却拒否など)」「債務者との連絡がとれない」などです。
※この場合、裁判所の事件番号の記号には(ケ)が記されます。

その他の事案としては、債務名義に基づく強制競売が有ります。
例えば、交通事故を起こしてしまい被害者に賠償金1,000万円を払わないといけない場合などで現金はないが不動産は持っている場合などは不動産を売却して支払うというケースです。
※この場合、裁判所の事件番号の記号には(ヌ)が記されます。

競売物件として出るケースは(ケ)が多いのですが、(ヌ)の場合は難易度の高い事件も有りますので弊社のようなプロにご相談下さい。

不動産競売のメリット

不動産投資、またはマイホーム購入などの目的で競売不動産購入する場合のメリットには次のようなものがあります。
1. 競売物件の売却基準価格は、一般的に市場価格の40~60%です。
2. 特別売却物件は更に20%ダウン(32~48%)で購入可能となります。
3. 最低価格が一般市場より4割以上安く、入札価格を自分で決定できます。
4. 仲介および諸費用の手数料がかかりません。
5. 裁判所が職権により抵当権等を抹消してくれます。
6. (建物であっても)消費税が不要となります。

不動産競売のリスク

競売物件は低価格であることが最大の魅力ですが、リスクもあります。
1. 物件の下見が基本的にできません。
2. 購入後の保証がありません。
  〇「建物の内部の損傷や老朽化が激しい」
  〇「地積に公簿数量との差異がある」
  〇「境界の確定ができない」
  〇「引渡し命令が取れない場合、入居者の立ち退きが困難」
このような場合にも基本的にアフターケアがありません。
3. 保証金の提供が必要です。
※期間入札に参加する場合、売却基準価格の20%を保証金として供託する必要が有ります。
4. 確実に入手できるとは限りません。
  〇時間をかけて調査・落札価格を提示しても買い受けができない場合があります。
  〇競売の取下げ、取消し等により入札が中止になる場合があります。